2001/08/05

音楽の話  M先生へ ジネット・ヌヴーを見つけました

 

大分の帰り阿蘇を下りてきて市内に近づくころ
リサイクルセンターという古道具屋があります。
通り過ぎたのですが気になりUターンして立ち寄りました。

まさか、新しい未開封のレコードがあるなどとは思いませんでした。
隅っこの段ボール箱に数セットの箱物のレコードがあり、
しかもほとんど未開封で・・・

その中にこのジネット・ヌヴーがありました。
鳥肌が立ちました。
恐る恐る値段を聞くと「1枚300円、まとめて買うなら200円でいい。」と
レナードバーンシュタインのベートーベンの交響曲全
アルトールグリュミュオーのモーツアルト5ヴァイオリン協奏曲とか・・・・

特にこのヌヴーとの出会いは奇跡でした。

将来を嘱望されながら1949年30歳の時、飛行機事故で亡くなったヴァイオリニストです。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%8C%E3%83%B4%E3%83%BC

エピソードはごらんの通りです。

私もこれまで音楽雑誌で名前を見たりFMで聴いた事があり
気になっている演奏家でした。
当時のコンクールでオイストラフと競って大差で優勝したという人で、
この人は突然の事故死ですが、
チェロのジャクリーヌ・デュプレや
ピアニストのリパティとかは自分の死と向かい合いながら
演奏、録音していますので
ヂュプレやリパティとは状況が違いますが、
夭折した天才達の残した音楽は何か違います。
画家の世界でも同じようです。
関根正二とか村山槐多、神田日勝・・・・・
こうも強く心に訴えてくるのは何故でしょうか・・・。


レコード会社としては利益の上がらないレコードはあまり出しません。
 
古いモノラル録音でSPの復刻ですし、
若くして亡くなっていれば知名度も低いです。
アルバムを制作しようとしても録音も少ないし、
レコードとして販売される機会も少なければ
レコードに出会う事もほとんどありません。

こんなレコードを古道具屋のがらくたの中に見つけた時は
驚きました。

7枚組のセットものですが
シベリウスのコンチェルトは聴き応えがあります。
CDに入れると感動は半減しますので
いつか私の家でお聴かせしたいと思います。

SPの復刻ですが SPの時代は録音の方式が
ダイレクトカッテング(磁気テープなど録音装置を使わず
 
直接レコード盤に針で溝を刻む方式)なので
音は驚くほど鮮明です。
ノイズがあり音の悪さは否めないですが
ヌヴーの芸術性はノイズをものともしません。