2021年12月東京 篠原有司男さん(89歳)
https://bijutsutecho.com/magazine/news/report/24941
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あるいは造形作家と呼ぶべきだろうか?
彼の作品は美術館などで何度も見てきた。
これまで、一点一点の作品を見た時
面白い作品を作る人だと思った
今回の個展では、彼の作品は大きな広がりと深みを持つ作品として現れていた。
空間が現実とは異質な空間になっている。
個展のテーマになっている「時間の肖像」に示されているように、
古川は土で時計を制作している。
この壁面作品は時計の針を無くした時計が数十個押しつぶされひしめき合っているいて これらの時計は時刻を示す時刻の数字が無い。この大きな作品は、時間の喪失という形而上的なテーマに臨んでいると思われる。
壊れた時計の塊は それだけ多くの彼の時間、あるいは過去が失われたような絶望感すら感じる。
この作品の中に1つだけ時を刻む時計がある。
この生きた時計は 他の全ての壊れた時計も、
以前は時を刻んでいたことを想起させる。
それはかすかな希望を感じさせる。
芸術作品は私達に感動を与える大きな要因に、
それが日常性を越えた独自の世界観を表現している事がある。
古川の作品は、会場の空間全体で、その体感をさせてくれる。
美術館学芸員