2011/06/20

「古川よ、陶芸家ってのは・・・・・・」 篠原有司男

我がニューヨークのロフトを訪れた古川君と
お互いの陶芸観に話がはずんでしまった。
やきのもが現代美術と呼べるだろうか
アメリカ西海岸、シスコ、ロス郊外に住む多くの異色陶芸家たちは
活発な作品発表をしているが
こちらニューヨークの大画廊での個展はしない
売れないからだろうか
しかし確固たる自己主張、表現主義を追求し続けるアーテストが
それが、その結果だと自信を持って発表し得た時
それが最近大いに期待を持たれ
現代美術のジャンルに割り込んで来たやきものだとしても
ぼくらは眼を見開き
心を全開にして受け止め賞味し
拍手を送ろうではないか
といっても輝く未来がそう簡単に手に入るものなら
誰も苦労はしない
出来上がったやきものをたたき壊すのは安い・・・・・・・・
 ・・・・・・・
粘土こねの時点は大きさ、形など
無限の可能性をひめた造形も
窯を通過し火あぶりにされ
出てきたときはいじけ切ったものでしかなくなり
初めの純粋な創造性は窯の制約で
形は平凡に曲げられ
色、肌ざわりまで均一化される宿命、
そのクラフトマンと呼ばれるマンネリズムが良し悪しを左右し
アートとは遠くかけ離れてしまう。・・                                                                                                                               
見るものに 
これは一体なんだ!という芸術の初原的で最重要な質問を浴びせる
セラミックスクラプチャーは陶芸の固定観念を一掃し
堂々現代美術の一翼を担い・・・
・・・・
そんな陶芸家になってよ・・・・

 △ 篠原有司男 (ニューヨーク)http://gyuchang.jugem.jp/