2018/11/09

2018 作品を作るー9 黒陶

黒陶に焼き上げる為に籾殻を使う。
煙突の根元で薪を焚くのは
煙突に熱を持たせると窯の引き(炎が窯に吸い込まれる)
を良くする為に。
1時間焚けば焚口を塞ぐ。
穴窯等古い形の窯では「馬鹿穴」という。
もしこのような灯油窯で焚き始め煙突への空気の流れが無いと
気化した灯油が窯の中に充満して、空気と一定の比率で混合すると
バーナー火口の火で着火、爆発を起こす危険性がある。(事例あり)
炭鉱の粉塵爆発と同じような現象でしょう。
窯の中は煙突への適切な空気の流れが必要。
窯詰めの際レンガで作った箱の中に
空気が入らないようにレンガを密着させた上に道具土で密閉する。
焼成温度は950度。焼成時間は10時間。
※一般的な焼き物(食器等)1250度
1100度を越すと土は焼き締まり硬い質感になる。
この作品は土の柔らかい風合いを出したいので950度。

※時々立ち止まって客観的に自分を見る。
 何故こんなもの作っているのだろうと自問自答する・・
 音楽の雑誌に
 ピアニストのリリー・クラウス(1903-1986)が
 グレン・グールドの演奏を聴いて、
「せっかくいい演奏技術を持っているのに、
 なぜあんな演奏するのかしら・・・」とこぼした、とあったのを思い出す。
 あのおばさんなら言いそう。
 クラウスの職人的なピアノ弾きと
 グールドの芸術家としての生き方の違いがありそう。
  世の中には両方が必要だけど・・・。
 グールドを引き合いに出すのはかなりおこがましいけど
 同じかなと思う。
 私もいい技術持ちながら何故普通の焼き物が作れないの、
 と家族によく言われる。
  やはり世の中には両方が必要だと思う。
 2人のピアノはモーツアルトのソナタをよく聴いているけど、
 やっぱりグールドが好み。
 グールドの影響を受けているのかな・・・・