
陶芸というものに興味を持ったのは、高校生の頃、文藝春秋にあった志賀直哉の「骨壺」についての話でした。
・・・・我が家には2つの骨壺があり、それは台所で塩壺と砂糖壺として使っています。友人の陶芸家(濱田庄司)が作ってくれたもので、もし死んだら、使い慣れ親しんだ、その手垢の付いた壺に入る、というもので・・・・・友人が亡くなり、そのお通夜に行くと、祭壇に素焼きの骨壺が置いてあるのを見て、私はあの骨壺に入れさせてあげたいと思い、遺族に申し出ると、快く受けてもらえた。私はさっそく自宅に戻り・・・・
かくして友人はその骨壺に眠っている。私はその旨話して、また一つ作ってもらった。・・・骨壺というものはそういうもので・・・・・・・というような話で、
陶芸家という職業に漠然とですが、あこがれを持ちました。
でも その時、陶芸の道を志すなどとまでは考えていませんでした。